データベースとは何か

データベースの基本的な仕組み

MySQLについて説明する前に、データベースの仕組みについて説明しましょう。データベースとは、データの集合体という意味の言葉で、住所録や成績表などといったものもこれに含まれます。この概念は、コンピュータの世界でも同様で、データを保存し、整理、検索できれば、データベースということができるでしょう。

ただ、コンピュータの世界でのデータベースというときは、現在、一般的にはリレーショナルデータベース(RDB)のことを指すのが一般的です。では、リレーショナルデータベースとは、一体どのようなものなのでしょうか?

リレーショナルデータベースとSQL

リレーショナルデータベースとは、データを関連性(リレーション)によって管理するデータベースのことです。リレーショナルデータベースでは、すべてのデータを表形式で表現します。表は列(カラム)行(レコード)で構成され、表の要素のことを、フィールドと言います。(図0-1.)

図0-1.リレーショナルデータベースの構造
リレーショナルデータベースの構造

現在、データベースは、一部の例外を除き、ほぼこのリレーショナルデータベースを指します。そこで、以下、リレーショナルデータベースをRDBと略すか、もしくは単にデータベースと呼ぶことにします。

このような一連の操作を行うのは、SQL(Structured Query Language)というデータベース言語によって行います。現在主流のデータベースは、ほとんどがこのSQLによってデータベースの操作を行う仕組みになっています。

SQLの違い

SQLはANSIISOなどによって規格化されており、異なるRDBMS上でも同じように使用することができます。ただ、各RDBMSでは、SQLに独自の拡張を加えています。しかし、ここでは基本的にどのRDBMSでも通用するようにMySQL独自の拡張はできるだけ使用せずに、一般的なSQLにあるものを利用してデータベースの学習を行います。

MySQL

主要なデータベース

現在、主流になっているデータベースには、以下のようなものがあります。(表0-1.)

表0-1:主要なデータベース一覧
名前 特徴
Oracle Oracle社のデータベース。商用で高いシェアを誇る。
MySQL Webを中心に、手軽に使えることで高い支持を得られている。
PostgresSQL Webシステムを中心に使用されている。
SQLServer マイクロソフトの製品。ASPなどのシステムで用いられる。
Access マイクロソフトオフィスの製品の一つ。
SQLite Androidなどで用いられるRDBの簡易版

これらはいずれも、SQLで動作しています。ここでは特に、MySQLを中心として説明していくことにします。

MySQLの特徴

MySQLは、「マイ・エスキューエル」と読みます。世界中で最もよく利用されているオープンソースのデータベースの一つで、高速であることと、使いやすいことで知られています。更に、複数の人が同時利用するような、Webアプリケーションのようなシステムに適していると言われています。

そうったことから、レンタルサーバーのデータベースとしてもよく使われています。さらに、Googleなどの大規模なサイトでも使われているようです。使用時には、商用利用に関してはライセンスの購入が必要ですが、非商用利用なら無償で入手して使うことができます。

学習の進め方

このサイトでMySQLの学習を進める方法

このサイトでは、MySQLの使用方法について学習します。基本編7日間、応用編7日間の計14日分あります。基本編でだいたいの仕組みがわかるようになっていますが、より高度な操作を学ぶ場合は、応用編を学んでください。

プログラムの入力の仕方

また、開発環境として想定しているのは、eclipse(エクリプス)と呼ばれる、フリーの開発環境を用います。eclipseには、DBViewerというツールがあり、MySQLなどのデータベースを操作することが可能になっています。eclipseの設定方法及びDBViewerの設定方法については、こちらを参照してください。